プロフェッショナル・サービス・ファームの世界的権威、デビッド・H・マイスターと、著名な法律事務所、会計士事務所をクライアントに持つパトリック・J・マッケナが、プロフェッショナル集団の効果的なマネジメントを論じた1冊。 共著者のデビッド・H・マイスターは、前著『プロフェッショナル・サービス・ファーム』でプロフェッショナル・サービス・ファームの運営ノウハウを説いたが、今回はその一部にして最大の問題である、プロフェッショナル人材のマネジメントを掘り下げて論じている。 本書の対象となる業種は、コンサルティングファームから弁護士事務所、会計事務所、ソフトウェア関連企業までさまざまだが、メンバーの大半がプロフェッショナルであるという点で、共通する部分は多い。業務を熟知し、自分を有能と信じて疑わないメンバーをどう扱うか、といった点は、おそらくすべての管理者に共通する悩みであろう。 本書では、こうした悩みを、個人のコーチング、チームのコーチング、会議の運営、採用、若手の育成、業績評価などの点から論じ、解決してくれる。具体的事例に乏しいのは残念なところだが、悩み多き管理職にとっては、福音の書となるに違いない。また、メンバーの仕事スタイルを4つのタイプに分けて論じるなど、ところどころに興味深いアプローチ方法も見られる。コンサルタントや有資格者、プログラマー、セールスパーソンなど、プロフェッショナルの人材管理に悩む管理職におすすめしたい。(土井英司)
読みながら、14箇所に付箋をつけました
今、自分が直面している課題、成長させたいと思っている能力/スキルにぴったりのタイトルだったので、すぐに注文しました。そして、「ここは後で繰り返し確認しないとな」という記述に付箋を貼りながら読み進め、終わったときには14枚の付箋が残りました。 今でもそれなりにできていると思えることが6割、頭でわかっていても十分実行できていないことが3割、そして新しい発見が1割といった割合でしょうか。できていると思えることでも、あらためてその意味を理解し間違った方向に進んでいないことが確認できたことは私には役立つと感じています。 最後に付箋を貼った箇所には、「・・・ そして、ある日突然、おそるべき事実を知る。この世は人間だらけだということを。」とあります。プロフェッショナル・サービスは、専門性を高めていったその先で初めて「人間」にストレートに出会ってしまう商売なのかもしれません。 本書の著者の一人 マイスターが書いた「プロフェッショナル・サービス・ファーム」も読んでおり、それには、「知識としては参考になった」という意味で星3つの評価をしていました。読むタイミングの問題かもしれませんが、前著よりも確実に直接役に立つと感じました。
日経BP社
True Professionalism: The Courage to Care About Your People, Your Clients, and Your Career The Trusted Advisor プロフェッショナル・サービス・ファーム―知識創造企業のマネジメント コーチングがリーダーを育てる なぜあなたのチームは力を出しきれないのか
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